受験中の趣味はどう扱うべきか

0、この記事を読む前に

 

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 この記事は上記「私が休学を決めるまで」に寄せられたコメントの中で多かった受験について私なりの考察を加えるものであり、その既読を前提としている。上の記事を読んでない方はそれを読んだ上でこの記事を読んでいただきたい。

 

 

 

 

 

 

1、はじめに

 受験勉強中において趣味をどう扱うかということは非常に重要かつ難しいテーマであり、色々な受験生が苦労をし、様々な議論が飛び交っている。特に、根拠がないものや、過程の飛躍があるものが散見されるのでここで私の経験をもとに一つの解を提示したい。



2、大学受験に蔓延る通説

 ここでは、私は私の経験上の話しかできないので、趣味を音ゲーツイッターを想定している。「ツイッターしてるような受験生は論外」などといった論が度々見られ、炎上なりたくさんのふぁぼをもらうなりしている。つまり、「大学受験において趣味は封印するべき」といった論がよくあるということであるが、私はこれに異を唱えたい。これには正しい部分と誤っている部分があり、特に「趣味を封印すること自体が目的」となって大学受験の目的を喪失している人も少なくない。ここでは受験においての目的を明確にすることで、その中での趣味の扱いについて一考していただきたい。



3、そもそも目的は何か

 大学受験という精神的に厳しい状態で長い年月を過ごす時期において、視野が狭くなりがちである。しっかり地に足をつけてこの問題を考えてみたいと思う。大学受験の目的は大学受験で合格を勝ち取るところにあり、すなわち、大学入試で良い点数をとることである。大学入試で良い点数を取るためにはなにが大事か、運という要素を除けばそれは以下の三つである。

 

・学力

・メンタル

・体調

 

これらがどれほどの割合で入試の点数に影響するかというのは人(その人の耐性)に依る。例えば、試験本番での体調が多少悪かったとしても悪い体調に対しての耐性が強い人間と弱い人間では、実際の入試の点数は上下するだろう、ということである。また、これは試験本番以外でも強い人と弱い人では普段の勉強の効率が違ってくる。



4、学力以外の要素と趣味との関係

 体調管理が上手な人は日ごろの勉強が捗るであるだろうし、そのために趣味を利用するというのは大いにありだ。例えば、私の話であるが、音ゲーで体を動かした後は決まって体調が良かった。また、適度な疲労感を感じることで、睡眠の効率も上昇したように思えた。

 また、この学力以外の要素は勉学以外でのみに依るというのも誤りである。実際、勉学に励むという事実だけでメンタルが強くなり自信がつくということも多い。実際私はその傾向が強く、勉強すればするほど体調もメンタルも向上していった。ただ、適度な趣味がこれら二つの要素によく働くことが多いのは言うまでもないだろう。もちろん、適度な範囲内である。ここに関しては特に異論のある人は少なさそうで、問題は次だと思われる。



5、学力と趣味との関係

 一般に学力は「勉強効率×勉強時間」で伸びると私は考えているのでこれに即して考えていく。趣味を削って勉強時間に充てれば、勉強時間が伸びるのは自明である。

 

ただ、勉強時間が増えれば万々歳かと言えばそうではないのである。

 

「11時間勉強のみする人と、10時間勉強をし1時間趣味に費やす人はどちらが学力が伸びるであろうか」

 

 結論からいうと、どちらが良いか判断を付けるのが難しい。なぜなら、勉強のみの生活をしていてもコストパフォーマンスが全く落ちない人間もいるが、その生活では極端にコストパフォーマンスが落ちる人間もいる。つまり人に依る。また、それは趣味の質にもよる。その10時間の勉強の効率を十分に上げうる趣味とそうでない趣味がある。私の場合は、音ゲーツイッターは勉強の効率を上げたが、ソーシャルゲームはそうではなかった。ソーシャルゲームはスタミナの存在により、スタミナの回復に合わせて勉強の休憩を取るようになり、生活の中心が勉強からゲームになってしまったためである。また、この疑問に対して色々な意見をくれた方がいるが、その意見を見てもやはり、その人の性格や特性に依って大きく変化するため、これを一般化するのは難しく、それは実際にもおそらく不可能である。



6、結局のところは

 以上の考察を経て、この問題は一般化することが難しく、「大学受験において趣味は封印するべき」が正しいかどうかは人に依るということが分かった。「これだけ考察して結局人に依るとか考察の意味ないじゃん」と思う方もいるかもしれないが、この結論である「人に依る」というのは非常に重要である。

 この問題は一般化する必要が全くないのである。自分の性格や個性を考察、解析し、趣味の時間や質を調節していくことで、自分が一番良い形で勉強効率と勉強時間を叩き出せる方法を導き出せばよいのである。実際上記のように趣味について私は音ゲーツイッターを選んだが、他にも色々試してみて「この趣味は非効率だ」と分かりやめたものも多い。

 

 大学受験をするのは自分であり、先輩や先生、親などではない。外野からとやかく言われようとも、自分の性格や個性を理解したうえでその最適解を見つけ、それに従うのが一番良い。また、このような考察が上手にできない場合は、一般的に正解と言われる方法、つまり「趣味を封印する」という方法を取り入れるのも良いであろう。しかし、仮にそういう形をとったとしても「受験合格のためにこの手法を採っている」という認識を忘れないように、それ自体、つまり「趣味を封印すること」が目的とならないように気を付けながら受験に臨んでほしい。

 

 

文責:T.

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Amazonほしい物リストに関しては、「私が休学を決めるまで」の追記2に色々書いてあるので、そちらの参照をお願いいたします。