【大学受験】量か質か問題に決着をつける。

大学受験において度々議論されるものとして「受験勉強では量を取るべきか質を取るべきか」という問題がある。合格体験記などを見てみると、「量より質を取ったから合格できました!」とか、「ひたすら量をこなして合格することが出来ました!」とか様々な考えが並んでいる。今回はこの問題に一つ結論を導きたいと思う。

 

  • 学力をつけるには

 当たり前すぎることではあるが、この手の受験勉強において一番大切にされるのが学力をつけることである。では、学力はどのように身に着けることが出来るのか。

 例えば、ものすごく質のよい勉強が可能な人間の勉強時間が0時間だったら学力は一切つかないだろう。逆に、ものすごくたくさん量をこなせる人間の勉強の質が0だったらそれはまた学力はつかない。これらを考えて、「量×質=学力」という仮定の下この問題を考えたいと思う。

 

  • 量×質=学力

 この式は量と質の積であるので、量が一定下においては質が高ければ学力も高くなる。質が一定下においては量が多ければ学力も高くなる。そういう比例関係にある。よって、量と質を大きくすることが学力をつける重要なポイントとなる。

 

  • 量を上げるには?

 量を上げるには勉強時間を増やせばいい。具体的には、無駄な時間を削ったりして勉強時間に充てるのが良いだろう。また、量というのは具体的な数値が簡単に分かることができ、比較も容易である。5ページより10ページの方が量が多いし、100単語より200単語の方が量が多い。

 

  • 質を上げるには?

 では、質を上げるにはどうすればいいのだろうか。量より質と主張する人はいるが、肝心の質を上昇させる方法に言及する人は少ない。このあたりが非常にあいまいな人が多く、この議論の落とし穴でもある。

 そもそも、質が良いとはどのように理解できるのだろうか。つまり質の良い勉強をしていると理解できるかどうかが問題なのである。質の良さが理解できなければ質の良い勉強の理解も当然できない。

 

  • 勉強法の共有の限界

 例えば、「単語をやってから長文読むと効率良かったよ」という質の良い勉強法の共有が友人からあったとしよう。ここで問題なのは、仮に「単語をやってから長文読むと効率が良い」が真であったとしても、その友人と同じ勉強法をすることは不可能であるということである。「単語をやる」ということだけにとっても、どのように単語を覚えていくのかという問題がある。「1問1答で覚える」「派生語も覚える」「例文も暗記する」「語源も理解する」などなど……、一つ「単語を覚える」ということにとっても非常にやり方が多くあり、それによって身につくものも違う。これはほんの一例であるが、効率の良い勉強法を教えてもらったからと言ってもそれ通りに出来ることは不可能に近いということである。もちろん、成功体験の一つであり、勉強法の参考にはなるが。

 

  • 質を良くするために

 勉強の質を良くするために、その質の良さを理解する必要があると書いたが、その一番簡単な方法は自分で実践してみることである。2つの勉強法を比べ、実際にやってみて、時間当たりの効率を実感してみるのが良いだろう。効率の良い勉強法が見つかればそれを取り入れていけば良い。被験者がその方法を理解するにも効果を実感するにも一番近い存在である。そして、たくさんの勉強法の比較をすればするほど勉強の質は良くなっていく。つまり、勉強の質は効率の良さを念頭に置きながらどれだけ勉強量を積んだかということに依存している。現実的かつ実践的な範囲では、勉強量が質の向上の大きな役割を持っていると言えるだろう。

 

  • まとめ

学力をつけるには量も質もどちらも大事。量を増やすのは簡単だが、質を良くするには量をこなすことが必要になる。勉強の質を意識しつつ、量をこなすことで学力をつけていくのが良いのではないか。私が受験生活で使っていた「量か質か問題」の結論は以上である。