授業料免除は本当に納付困難者に適応されているか

授業料の免除

経済的理由により、授業料を納付することが困難であると認められ、かつ、学業成績が優秀であると認められる者、その他やむを得ない事情があると認められる者については、願い出により選考の上、授業料の全額、半額又は3分の1の額の免除が許可される制度があります。

東北大学HPより)

 

 

授業料免除について我が東北大学は上のように告知している。ここにある

授業料を納付することが困難

 について少し考察を入れたいと思う。

 

ご存知の方も多いかと思うが、私は授業料を納付することが困難でありながらこの授業料免除という制度の対象から外れている。今回は、その困難な状況に該当する者としてこの記述に関して非常に強烈な違和感を感じたのでそれを記す。

私のブログをこの記事で初めて読む方はまずこちらを読んでいただきたい。

 

t-ritama.hatenablog.com

 

 

ではまず、授業料を納付することが困難とはどういう状況であろうか。

 

こん‐なん【困難】
[名・形動](スル)
1 物事をするのが非常にむずかしいこと。また、そのさま。難儀。「―に立ち向かう」「予期しない―な問題にぶつかる」
2 苦しみ悩むこと。苦労すること。
「道の上はぬかるみで―した」〈滝井・無限抱擁〉

(goo辞書より)

 

ここでは1の用法であると思われるので、この意味で考える。

この「授業料を納付することが困難な人に授業料免除を適用する」ということは「家庭に余裕がなく授業料のせいで大学に通えなくなるから、授業料の納付をなくして通えるようにしてあげよう」という制度であろう。

非常に聞こえの良い制度であり、何も不備がないように思えるが、ここに大きなパラドックスがある。

 

  • 授業料を納付することが困難な学生が大学に入学するか?

授業料を納付することが困難な学生が大学に通う余裕があるだろうか。もちろん、この授業料免除の選考は大学入学後から始まる(一部私立大学では合格発表の時点で授業料免除が確定する大学もある)。よって入学した段階では授業料免除されるかどうかが分からないという状況になっている。

「授業料収める余裕なんてないから、授業料免除されるかと思ってたけど実際されませんでした~」という学生が出る可能性は大いにある(実際に私はそうだった)。

払うことが困難な学生が授業料免除されない、つまり授業料を納付しないといけないという状況になる。これが何を意味するかは言う必要はないであろう。

もちろん、授業料免除に充てる予算は毎年違うし、応募する学生がどういう家庭環境であるかという様子も毎年違う。よって、入学の段階では、どういう家庭環境の学生であっても大学側から「君は授業料免除」と言うことが出来ないのである。

つまり、授業料の納付が困難な学生はその年の色々な要素によって決まる不確定な要素の強い授業料免除という制度を当てにして入学することになる。こんな学生が存在するだろうか……?

 

 

以上により私の判断では授業料免除該当者に「授業料納付困難な学生」はまずいないと考える。実際には「割ときついけど、がんばれば授業料くらい払える環境の学生」が多いのであろう。現状そういう人たちの負担を減らす制度になっている。これが私がこの記述を見たときに感じた非常に強烈な違和感である。(私立大学などの他の大学ではまた事情は違うであると考えられるので東北大学に限った話とさせていただく)。

 

 

T.

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